レシピの中によく出てくる砂糖とみりん。なんとなく甘さを加える調味料とはわかっているけど、どう違うのか、どのように使い分ければいいのか分からない方も多いはず。
そんな「砂糖」と「みりん」、それぞれ代用できるのかや違い、使い分け方を紹介していきます。
砂糖とみりんの特徴や違い
砂糖とみりんどちらも甘さのある調味料ですが、その甘さの質や得られる調理効果が異なるのではじめに見ていきましょう。
砂糖の特徴
スイーツからおかずまで様々な料理で甘さを加えるために使われる「砂糖」。砂糖の主な成分は「ショ糖」と呼ばれるもので、サトウキビやサトウダイコン、テンサイを原材料として作られています。
砂糖の特徴はご存知の通り「甘味」です。一般的によく使われる白砂糖やグラニュー糖はくせや香りがなくシンプル、強い甘味が特徴です。
※黒糖やきび砂糖など香りやコクや風味のある種類もあります。
みりんの特徴
みりん(本みりん)はもち米と米麹、焼酎などのアルコールを使い、時間をかけて熟成させて作られます。
砂糖が「ショ糖」による強い甘味が特徴ですが、みりん(本みりん)は熟成によって糖化されたもち米や米麹から来る「オリゴ糖」や「グリコース」など様々な甘さ成分が含まれるため、コクのある風味の豊かさが特徴です。
また本みりんにはアルコールが14%程度含まれるため、料理を美味しくする調理効果が期待できます。(みりん風調味料にはアルコールは含まれません(1%未満)。)
砂糖とみりんの使い分けかた
砂糖とみりんは甘さの感じ方だけでなく、それぞれ料理を美味しく綺麗にする効果にも違いがあります。ここからはその効果や使い方を紹介していきます。
砂糖の使い方
- シンプルに甘くしたい時
- しっかりとした甘さをつけたい時
- お肉を使う料理
くせがなく香りもない砂糖は料理を選ばず甘さを加えるのにぴったり。飲み物からスイーツ、おかずまでどんな料理にも使えます。
また砂糖には「お肉が硬くなるのを防ぐ」効果があります。これは砂糖がお肉のタンパク質と水分を結びつけるためで、冷めても硬くなりにくくお弁当や作り置きに向いています。
みりんの使い方
- 煮崩れしやすい煮物
- 照りやツヤを与えたい時
- お魚料理の下ごしらえ
みりんはほんのりとコクのある甘さが特徴ですが、他にも料理を美味しく綺麗に仕上げる調理効果がたくさんあります。もっとも有名なのが照りやツヤを与えると効果。
みりんに含まれる様々な糖類が加熱されることにより、香ばしい香りと綺麗な照りが生まれます。アルコールの含まれる本みりんは魚の臭み消しにも効果的です。
また糖とアルコールの効果により野菜のデンプンの流出を防いだり、お肉や魚の細胞が崩れにくくなる為、煮崩れにくくする効果もあります。煮物や照り焼きなど和食によく使われるのはこの効果を生かした物。
みりんを選ぶときの注意点
みりんには「本みりん」「みりん風調味料」「発酵調味料(加塩みりん)」と3種類あります。
本みりんは伝統的な材料で作られアルコールが含まれていますが、「みりん風調味料」はブドウ糖や水飴といった糖類を合わせて本みりんに似せた調味料で、アルコールは含まれません。
また本みりんはアルコール度数が約14%含まれそのまま飲めるお酒(酒類)の分類ですが、そのまま飲めないように塩などを加えたのが「発酵調味料」です。
本みりん | アルコール有(酒類) | 伝統的な原料 | 高価 |
みりん風調味料 | アルコール無 | 糖類を合わせて作られる | 安価 |
発酵調味料 | アルコール有 | 基本的に本みりんと同じだが加塩されている |
その為、みりんの持つアルコールによる調理効果を狙って使いたい時は「本みりん」もしくは塩味に注意が必要ですが「発酵調味料」を使いましょう。
みりん風調味料は安く手に入りますが、みりんの持つ本来の調理効果は得られません。ほんのりとみりん風の優しい甘さや照りをつけたい時におすすめです。
砂糖とみりんの代用するには?
砂糖とみりんそれぞれ異なる甘みや特徴があり、特に調理効果を期待するなら代用ができません。ここでは緊急用として甘みだけを代用の基準として紹介していきます。
砂糖をみりんで代用する
- 砂糖大さじ1:みりん大さじ1と1/2
砂糖がない時にみりんで甘さを加えたい時には、砂糖大さじ1に対してみりん大さじ1と1/2で同じぐらいの甘さになります。
ですが砂糖とみりんでは甘さの質や感じ方が異なる為あくまでも目安です。特に火を使わないスイーツなどで本みりんを使って代用する時は、アルコールが入っている事に注意しなくてはなりません。
みりんを砂糖で代用する
- みりん大さじ1:砂糖小さじ1+日本酒(料理酒)大さじ1
みりんの持つ効果やコクを完全には再現できませんが、砂糖と日本酒(料理酒)で代用することができます。
甘さを砂糖、アルコールによる効果を日本酒で代用する事になりますが、みりんの複雑なコクやアルコールと糖類による煮崩れの効果は薄まるので、効果を求めるならみりんを用意することをおすすめします。
照りが欲しい時には砂糖の代わりにはちみつを使う方法もあります。先ほど紹介した代用の分量で、砂糖小さじ1をはちみつ小さじ2/3程度にすると照りが出やすくなります。
はちみつを使うときの注意点は、香りが強すぎて風味が変わりやすい事。照りは出やすくなりますが、物によっては香りが強すぎて全体がはちみつ味になってしまうことがあるので注意が必要です。
「砂糖とみりん」代用できる?【違いや特徴、上手な使い分け方】まとめ
砂糖とみりんそれぞれ異なった特徴があり、調理効果も様々。調理効果を覚えておくと料理がより一層美味しく綺麗に仕上がりますよ。代用はあくまで緊急用として、ぜひ砂糖とみりんそれぞれを用意して活用してみてください。
